それ以外はよく分かんないや。
こんにちは!ぷくぷくです。
今回は、
- 柔道の詳しいルールが分からない
- ルールが変更されてよく分からなくなった
こんな方に向けた記事です。
ここ数年、ルール変更が頻繁に行われています。
ルールを調べても、有効があるなどの古い情報が多く、何が最新のルールなのか分からないという方も多いと思います。
そこで、今回は最新のルールをできるだけ分かりやすくまとめました。
東京オリンピックのルールについても解説していますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
柔道のルールの種類
まず、柔道のルールには2つの種類があります。
- 講道館柔道試合審判規定(講道館ルール)
- 国際柔道連盟試合審判規定(国際ルール)
昔は講道館試合審判規定も使われていましたが、現在は国際大会、国内大会とも、ほとんどが国際柔道試合審判規定を採用しています。
オリンピック、世界選手権大会、全日本柔道選手権大会なども国際柔道試合審判規定です。
ですので、基本的に国際柔道試合審判規定のルールを覚えておけば、問題ありません。
この記事では国際試合審判規定のルールを解説します。
試合時間
試合時間は、現在男女ともに4分間で統一されています。
(中学生は3分間、小学生は2分間です。)
審判「始め」の発声により試合時間がスタートし、「待て」がかかれば試合時間はストップ、再び「始め」をかければ試合時間は再開します。
ゴールデンスコア(延長戦)では試合時間は無制限となり、決着が着くまで終わりません。
(ゴールデンスコアについては後で解説します)
試合の決着がつくには
試合の勝敗が決まるのは次の3つのパターンです。
勝敗については基本的にこの3つを抑えておけば大丈夫です。
一本が決まる
一本が決まれば決着となり、その時点で試合は終了します。
一本の決まり方は次の通りです。
- 投げる
スピード、力強さがあり、相手の背中の大部分が畳につき、最後までしっかりとコントロールして投げる(相手が背中をつかないようにブリッジした場合も一本となります。) - 押さえ込む
寝技で相手を20秒間押さえ込む - 締める
絞技で、相手が「参った」をするか、審判が危険と判断した場合 - 関節を取る
関節技で、相手が「参った」をするか、審判が危険と判断した場合
これで一本が決まります。
技有りが二つ決まる
技有りとは勝敗に関係するポイントです。
技有りを一つ取った時点では決着とならず、試合は続きます。
技有りの決まり方は簡単に言うと
- 一本の基準には満たないが、一本に近いような形で投げたとき
- 10秒以上押さえ込んでその後、一本が決まる20秒までに逃げられたとき
これで技有りが決まります。
そして技有りを二つ取れば一本になります。
技有りを一つ取っている状態で寝技で押さえ込んだ場合、10秒でもう一つ技有りが入るので、そこで一本となります。
また、技有りが一つあり、相手に技有りが無い状態で試合時間が終了すれば、優勢勝ちとなります。
以前は有効というポイントがありましたが、現在は廃止され、技ありに統一されました。
技ありの基準が甘くなったと思われる方もいるかもしれませんが、これは有効が技ありに含まれるようになったからです。
一本と技有りの違いなどについては中村美里選手がこちらの動画で分かりやすく解説されていますので参考にしてみて下さい。
反則負けの宣告
柔道のルールで一番分かりにくいのがこの反則だと思います。
反則には重大な反則と軽微な反則があります。
重大な反則は1回でも宣告されれば、反則負けとなります。
軽微な反則は指導が与えられ、3回与えられれば反則負けとなります。
(ただし、下半身への攻撃、防御に対する指導は2回で反則負けとなります。)
指導2回までは試合の勝敗に関係しないので、指導を2回与えられた状態で試合時間が終了しても勝敗は決着しません。
主な反則行為については後ほど解説していきます。
試合時間内に決着がつかなかった場合
試合時間内に決着が着かなかった場合、引き分けもしくはゴールデンスコアになります。
ゴールデンスコアとは、試合時間無制限で決着が着くまで終わらない延長戦のことです。
技有り以上を取るか、反則負けとなった時点で試合が終了します。
それまで試合のスコアが引継がれますので、
例えば、指導が2つある状態でゴールデンスコアに入った場合、その後、指導を1つ与えられれば負けとなります。
基本的に個人戦はゴールデンスコア、団体戦は引き分けとなりますが、世界選手権の団体戦でゴールデンスコアが採用されるなど大会によって違いがあります。
主な反則行為
様々な種類の反則行為があります。
全部覚えるのは難しいと思うので、重大な反則行為や、よく出る反則行為について解説していきます。
赤文字は新しく追加された反則です。
重大な反則行為
- 河津掛
足を相手に巻き付けた状態で技を掛けると重大な反則となります。 - 肘関節以外への関節技
柔道の関節技は肘関節以外に掛けてはならず、それ以外の関節へ関節技を掛けることは重大な反則となります。 - 関節を極めながら投げる
関節を極めながら投げる行為は、重大な反則となります。 - 背中をついている相手を持ち上げ畳に叩きつける
背中をついてる相手を持ち上げて畳に叩きつけるような行為は、重大な反則となります。 - 技を掛け頭から畳に突っ込む
内股や払腰などでそのまま頭から突っ込むと、重大な反則となります。 - 金属などを身につけている
指輪、ネックレスなどを付けた状態で試合をすれば、重大な反則となります。 - 故意に相手の足を踏みつけて技をかける
故意に相手の足を踏みつけて技をかけた場合、重大な反則となります。ただし、偶発的に起こる場合もあるので、1回目は反則無し、2回目で反則負けとなります。 - 故意に相手の頭髪を掴んで技をかける
故意に相手の頭髪を掴んで技をかけた場合、重大な反則となります。ただし、偶発的に起こる場合もあるので、1回目は反則無し、2回目で反則負けとなります。
軽微な反則行為
- 消極的な試合をする
組んだまま、攻めないなど消極的な場合、指導が与えられます。 - 組もうとしない
組むのを嫌がったりして組み合おうとしない場合、指導が与えられます。 - 極端な防御姿勢
頭を下げて腰を引くなどの極端な防御姿勢をした場合、指導が与えられます。 - 偽装攻撃
投げる気がなく、時間稼ぎや逃げるために偽装的な技を掛けた場合、指導が与えられます。 - ベアハグ
組んでいない状態から、いきなり抱きついて技を掛けた場合、指導が与えられます。 - 下半身への攻撃、防御
下半身を持っての攻撃や防御をした場合、指導が与えられます。
(この反則は2回で反則負けになります。) - 場外へ出る
故意または不用意に場外へ両足が出た場合、指導が与えられます。ただし、技を掛けたり、掛けられたりして出た場合や、押し出された場合などはこの限りではありません。 - 場外へ押し出す
相手に反則を与えるため、故意に押し出そうとした場合、指導が与えられます。 - 場内へ戻ろうとしない
片足が場外に出ている状態で、場内に戻ろうとしない場合、指導が与えられます。 - 標準的な組み方をしない
帯を持ったり、片襟を両手で持つなどして、すぐに技を掛けない場合、指導が与えられます。 - 攻防に関係のない行為で自らの柔道着を帯から出す
攻防に必要のない動作で自ら柔道着を帯から出して乱した場合、指導が与えられます。 - 攻防に関係のない行為で意図的に相手の柔道着を乱す
攻防に関係のない動作で意図的に相手の柔道着を乱した場合、指導が与えられます。
2021年東京オリンピックのルールは?
いよいよ2021年東京オリンピックの時期となりました。
東京オリンピックで柔道を観戦するという人も多いので、ルールを簡単に解説します。
柔道の種目
東京オリンピックの柔道は以下の種目で行われます。
男子個人戦
- 60kg以下級
- 66kg以下級
- 73kg以下級
- 81kg以下級
- 90kg以下級
- 100kg以下級
- 100kg超級
女子個人
- 48kg以下級
- 52kg以下級
- 57kg以下級
- 63kg以下級
- 70kg以下級
- 78kg以下級
- 78kg超級
男女混合団体戦
次の階級で男女各3名ずつの6人がチームとなって団体戦が行われます。
男子
- 73kg以下級
- 90kg以下級
- 90kg超級
女子
- 57kg以下級
- 70kg以下級
- 70kg超級
試合ルール
試合のルールを解説しますが、基本的にはこれまで解説してきたルールで行われます。
個人戦
試合時間は男女ともに4分間で行われます。
4分間で勝敗の決着が着かない場合は、時間無制限のゴールデンスコアが行われます。
試合の決まり方、反則などについてもこれまで解説してきたルールの通りです。
団体戦
団体戦も個人戦と基本的にルールは一緒です。
団体戦は6人それぞれの試合結果でチームの勝敗が決まります。
団体戦の場合、通常引き分けがあることが多いですが、今回の東京オリンピック団体戦では、引き分けがなく、4分間で決着が着かない場合はゴールデンスコアとなり、必ず決着ををつけます。
そしてチームの勝敗は、6人の選手の勝ち数に応じて決まります。
6人なので勝ち数が同数となった場合、以下の勝ち点の合計によって勝敗を決めます。
一本勝ち | 10点 |
---|---|
不戦勝ち | 10点 |
相手の棄権 | 10点 |
技有り勝ち | 1点 |
反則勝ち | 0点 |
この勝ち点も同点の場合は、抽選で選ばれた階級の選手が代表戦を行い、勝敗を決めます。
まとめ:ルールを知って柔道を楽しもう
今回は柔道のルールについて解説しました。
試合で勝つためにはルールを正しく知る必要があります。
また、柔道を見る場合も、ルールを知ることで、試合の状況がよく分かってくると思います。
何より、柔道をもっと楽しめるようになります。
最近はルール変更が頻繁に行われているので、第一線で柔道に関わっている人以外、ルール変更についくのが大変です。
今後もルールの変更などがあれば記事にしていきますので、ぜひ読んで参考にしてみて下さい。
最後まで読んでいただきありがとうございました。